脳力/集中力「ノルアドレナリン」

ノルアドレナリンの伝達回路
ノルアドレナリンの伝達回路

集中力をUPさせるためには、神経伝達物質「ノルアドレナリン」の分泌を高めることが重要です。

<ノルアドレナリンの働き>

ノルアドレナリンは、集中や注意、覚醒、判断などの脳の働きに関与します。

では、ノルアドレナリンはどのようなときに分泌が高まるのでしょうか。例えば、あなたが奥深い山の中を1人で歩いているとき、突然あなたの目の前に、巨大な熊が現れたとします。今にも襲い掛かってきそうな絶対絶命の状況です。あなたがとる行動は、闘うか逃げるかです。そんな生命の危険にひんしたとき、寝ぼけ眼では生存は危ぶまれます。絶体絶命の状況下でより正しい判断を下せるように、集中力や判断力を向上させ、同時に闘争や逃走に備え、瞬発的な行動がとれるように筋肉などの機能を向上させます。つまり、こういった危機的な状態に追いやられたときやストレスを受けたときに、ノルアドレナリンの分泌が高まるのです。ノルアドレナリンは、交感神経を動かせて体を活動モードに導くため、ノルアドレナリンの分泌が高まることで、心拍数と血圧は上昇し、脳や筋肉に十分な酸素や栄養が送れ、脳が一気に覚醒して集中力が高まります。

<ノルアドレナリンの伝達回路>

ノルアドレナリンは、主に、神経細胞が密集した神経核の1つである「青斑核(せいはんかく)」から分泌されます。青斑核は脳幹の橋に位置しており、青斑核から分泌されたノルアドレナリンは、視床下部や大脳皮質など脳全体へ届けられます。

 

 日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より