聴覚/脳の健康のために音楽を聞く

聴覚野と大脳辺縁系
聴覚野と大脳辺縁系

脳は人間の行動を生む起点となる大切な場所です。そして、行動に影響を及ぼすのは感情です。脳が良い気持ちになれば、快い感情が生まれ、嫌な気持ちになれば、不快な感情が生まれます。いつも脳の状態を健康に保っておけば、良い感情を生むことができます。

普段何気なく生活している中で、私たちはあらゆる場面で音や音楽の刺激によって感情が揺り動かされています。聴覚は大脳辺縁系に直結していて、感情に直接訴えることができます。

音楽は、言語の違い、音楽を処理するための「音楽野」という場所は存在しません。複雑な和音の認知やメロディーの知覚などは進化した脳である大脳皮質で行われますが、音楽を聞いた時の感情は、大脳辺縁系という生存にかかわる部分で処理されます。

好きな音楽を聞いたときの気持ちのよさは、食事や睡眠などと同じです。音楽を聞いて気持ちがよくなるのは、大脳辺縁系の中にある側坐核(そくざかく)といわれる場所の活動が高まり、ドーパミンの分泌量が増えるからです。

 

 

日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より