空腹やのどの乾き、吐き気、尿意や便意などのさまざまな感覚は、内臓から発生した信号によってもたらされる感覚です。これらの感覚や内臓痛をまとめて「内臓感覚」と呼びます。...
どうしてくすぐったいという感覚があるのでしょうか。くすぐったさは、人だけではなく他の動物でも感じられる感覚です。動物の進化の過程で「痛み」から「かゆみ」が生まれ、そしてさらに派生的に進化して生まれたのが「くすぐったい」だといわれています。...
なぜ、掻くとかゆみが和らぐのでしょうか、掻くということはかゆいという不快な感覚に拮抗する刺激を与えることです。掻くことは、すなわち痛みを与えることであり、人の体はかゆみか痛みのどちらか強い方の感覚だけを感じるようになるために、かゆみが感じられなくなるとされています。...
かゆみは、「引っ掻きたくなるような不快な感覚」と定義されますが、実は、かゆみは体を守る防衛反応の1つなのです。皮膚に異物がついた際に、かゆみを感じることによって、異常が起きている場所を私たちに知らせ、その異物を掻いて取り除こうとする行動を起こすのです。...
皮膚には、温かさに反応する温覚と、冷たさに反応する冷覚がありますが、温度のを感じるものに触れたとき、温点、冷点で受けた刺激を自由神経終末という受容器で電気信号を変えて、大脳皮質の体性感覚野で検知しています。...

痛みの感じ方や訴え方には、性差もあるようです。一般的に、女性は男性よりも痛みの感受性が強く、痛みを訴えることが多いと考えられています。女性は普段から生理痛などを経験しているため、痛みに馴染んでいて、それを当然のものとして他人に話す機会も多いからです。それに対して、男性は痛みに慣れていないために、痛みがあることに困惑してしまいます。...
これまでみてきたような痛みは、組織が傷ついたと同時に感じ、傷が治ると消えるため「急性痛」と呼ばれます。しかし、これらのしくみでは説明できない痛みがあります。それが「慢性痛」です。...
私たちの感じる痛みは1種類ではありません。皮膚を切ったときに感じる「鋭い痛み」だけでなく、じんじんとしびれるような「鈍い痛み」もあります。この痛みの違いはどのようなしくみで起きているのでしょうか。...

頭を叩かれた場合と手の平を叩かれた場合とでは、同じ強さでも痛みの感じ方が違います。単なる刺激の強さでは痛みを説明することはできません。痛みを感じる大きなポイントは感情であり、痛みには基本的に不快な感情の動き(情動)が伴います。つまり、痛みとは「どこにどのような大きさの刺激が入ったのか」という感覚と、「苦しい、不快だ」という情動の2つの要素が合わさって成り立ちます。図をみると、例えば、手を切った時の痛みの信号は、まず手の先から伸びている神経を通り、脊髄に入ります。その後、痛みの感覚を伝える神経は、脳の「視床」という部位を通り、大脳皮質に至ります。こうして私たちは、傷ついた場所や傷の深さを感じ取ります。一方、痛みという感情を伝える経路は、さまざまな神経を通って情動をつかさどる脳の大脳辺縁系に至ります。そして、これまで経験した痛みの記憶と照らし合わせ、不快な気持ちが沸き上がるのです。このよに、痛みの正体とは、脳が生じた主観的な感覚と情動が合わさったものなのです。 自分の中で痛みの感じ方が変わることもあります。ボクサーが試合中、極度の興奮状態のためにパンチを浴びても痛みを感じなかったが、試合が終わってから強い痛みに襲われたという話を聞いたことはないでしょうか。このように、刺激が強いからといって、痛みも同じように強いとは限らないのです。逆に、刺激が弱くても、強い痛みを感じることもあります。

皮膚には、皮膚の感覚受容器に刺激を送る4つの感覚点が存在します。触覚や圧覚を伝える「触点」に加えて、温度を伝える「温点」「冷点」、組織の損傷などを伝える「痛点」が備わっています。...

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