痛みの感じ方や訴え方には、性差もあるようです。一般的に、女性は男性よりも痛みの感受性が強く、痛みを訴えることが多いと考えられています。女性は普段から生理痛などを経験しているため、痛みに馴染んでいて、それを当然のものとして他人に話す機会も多いからです。それに対して、男性は痛みに慣れていないために、痛みがあることに困惑してしまいます。...
これまでみてきたような痛みは、組織が傷ついたと同時に感じ、傷が治ると消えるため「急性痛」と呼ばれます。しかし、これらのしくみでは説明できない痛みがあります。それが「慢性痛」です。...
私たちの感じる痛みは1種類ではありません。皮膚を切ったときに感じる「鋭い痛み」だけでなく、じんじんとしびれるような「鈍い痛み」もあります。この痛みの違いはどのようなしくみで起きているのでしょうか。...

頭を叩かれた場合と手の平を叩かれた場合とでは、同じ強さでも痛みの感じ方が違います。単なる刺激の強さでは痛みを説明することはできません。痛みを感じる大きなポイントは感情であり、痛みには基本的に不快な感情の動き(情動)が伴います。つまり、痛みとは「どこにどのような大きさの刺激が入ったのか」という感覚と、「苦しい、不快だ」という情動の2つの要素が合わさって成り立ちます。図をみると、例えば、手を切った時の痛みの信号は、まず手の先から伸びている神経を通り、脊髄に入ります。その後、痛みの感覚を伝える神経は、脳の「視床」という部位を通り、大脳皮質に至ります。こうして私たちは、傷ついた場所や傷の深さを感じ取ります。一方、痛みという感情を伝える経路は、さまざまな神経を通って情動をつかさどる脳の大脳辺縁系に至ります。そして、これまで経験した痛みの記憶と照らし合わせ、不快な気持ちが沸き上がるのです。このよに、痛みの正体とは、脳が生じた主観的な感覚と情動が合わさったものなのです。 自分の中で痛みの感じ方が変わることもあります。ボクサーが試合中、極度の興奮状態のためにパンチを浴びても痛みを感じなかったが、試合が終わってから強い痛みに襲われたという話を聞いたことはないでしょうか。このように、刺激が強いからといって、痛みも同じように強いとは限らないのです。逆に、刺激が弱くても、強い痛みを感じることもあります。

皮膚には、皮膚の感覚受容器に刺激を送る4つの感覚点が存在します。触覚や圧覚を伝える「触点」に加えて、温度を伝える「温点」「冷点」、組織の損傷などを伝える「痛点」が備わっています。...

体性感覚野は、皮膚感覚の厳密な地図のようになっており、全身の皮膚のうち、どの部分からの信号なのかを感知することができるようになっています。...

皮膚の受容器で捉えた刺激は、電気信号として脳へ伝わります。その脳への伝達回路は、「脊髄視床路」と「後索ー内側毛帯経路(うちがわもうたいけいろ)」の2つの経路があります。「脊髄視床路」は、痛みや温度、強くて粗い感覚を伝える経路で、上半身からの信号は頚髄、下半身からは腰髄で左右の神経が交差しています。一方、「後索ー内側毛帯経路」は、詳細な触覚を伝える経路で、延髄で左右の神経が交差しています。体性感覚野は右脳と左脳にあり、各経路での交差を経て、左半身からの刺激は右脳の体性感覚野で、右半身からの刺激は左脳の体性感覚野で受け取っています。

指先の皮膚の断面
一見、複雑に見えない皮膚の表面下には、前述したように皮膚感覚の刺激を受ける様々な受容器が潜んでいます。 ほかの感覚器官とは異なり、皮膚は全身に広がっているため、皮膚感覚は程度の差こそあれ、体のどこであっても検知されます。...

外反母趾とリウマチの靴儀型
この木型は、私が今まで靴づくりの現場で改良して、独自の手法でつくり出した木型です。 なので、世にある木型とは違うことが見てお分かりいただけると思います。...

私たちの皮膚で5つの種類の感覚を感じることができます。何かに触れた感覚(触覚)、押された感覚(圧覚)、痛みの感覚(痛覚)、温かさの感覚(温覚)、冷たさの感覚(冷覚)で、これらをまとめて皮膚感覚と呼びます。そして、皮膚感覚を感じ取るために、皮膚にはさまざまな感覚受容器が埋め込まれています。感覚受容器にはいくつかの種類があり、受け止める刺激の種類や、刺激を伝える信号の発生の仕方が異なります。では、皮膚感覚を理解するために、まずは皮膚の構造から確認していきましょう。 皮膚は表面から順に、表皮、真皮、皮下組織の3層でできています。皮膚感覚の受容器は、主に皮膚の真皮に存在しており、いずれも神経の末端に位置しています。これには大きく分けて2つの種類があり、特定の構造をもつものを「機械受容器」、特定の構造をもたずに神経の先端が細くなった状態のものを「自由神経終末」といいます。さらに、機械受容器は、全身に分布して圧力やゆったりとした振動を感じる「マイスナー小体」、持続的な圧力を感じる「メルケル細胞」、より深い層で圧力や早い振動を感じる「パチニ小体」、圧力や皮膚の伸びを感じる「ルフィニ小体」の4種類に分けられます。 機械受容器は圧力を受けると変形し、電気信号を発生します。また、圧力がなくなり、元の形にもどるときにも電気信号を発生します。さらに、ルフィニ小体は、細長い小体が枝分かれし、皮膚にかかる圧力の方向が変化したときにも電気信号を発生することができます。一方で、自由神経終末は、痛みや温かさを感じる受容器として働きます。物理的な圧力のほか、細胞が傷ついたときなどにつくられるブラジキニンなどの「発痛物質」を刺激として受け取って、電気信号を発生します。

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