関節リウマチのメカニズム

関節リウマチとは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。

その原因はまだ十分に解明されていませんが、体内に侵入してくる病原体から自分の体を守る免疫システムに異常があり、自分の体の一部である関節を外敵と間違って攻撃してしまうことが原因であるとされています。

関節リウマチは、年間を通じて発症しますが、特に2~4月に多く見られます。

 

  • 免疫系が自分の組織を攻撃することで起こる

正常な関節は、関節包という袋で覆われ、この内側は滑膜という滑らかな組織で覆われています。滑膜は、関節内に侵入してきた異物の除去や関節内の組織への栄養補給と潤滑のため関節液を作る働きをしています。骨の表面を覆う軟骨には血管は有りませんが、滑膜には毛細血管があり関節内へ血液成分を送るにも都合の良い構造をしています。

しかし、関節リウマチは、細菌やウイルスなどからからだを守るために備わっている免疫構造が異常な状態となっています。具体的には、細菌やウイルス感染などをきっかけに免疫系(リンパ球)が自分の組織を異物とみなして攻撃するという異常(自己免疫)が生じます。そして、関節の滑膜に炎症が起き、炎症性滑膜が異常に増殖します。増殖した滑膜や免疫に関係する細胞がIL-6やTNFαなどの炎症性サイトカインを過剰に分泌します。すると、サイトカインによって関節全体に炎症が広がり、関節の腫れや痛みとなって現れてきます。その炎症が続くと、さらに炎症が悪化して、軟骨や骨が破壊されて、関節が変形し、その機能が失ってしまします。

関節リウマチは、年配者になる病気という認識があるかもしれませんが、実際は、働き盛りの30~50歳代の方に多く発症し、女性の占める割合が男性の約4倍にもなります。

また、60歳以降に発症する場合や10代で発症する場合など、関節リウマチはあらゆる年齢の方に発症する可能性がります。

 

日本成人予防協会 総務省認証 学術刊行物より