視覚/色への反応は進化の過程で獲得した?

一般的に、緑や青はリラックス効果があり、落ち着く色といわれています。

進化の過程で、初期の哺乳類の生活の場は、地上ではなく主に樹上でした。

そのため、哺乳類の色覚は、最初が緑、次に緑の間から見える空の色を識別するために青、次に木の実を探しやすいように赤という順に獲得したという説があります。

そして、このとき、緑や青は生活の場の色です。地上で肉食獣に追われて見上げた目の先には、青い空と緑の葉が茂る住居があり、安心できる場所の色であり、寝る、食べる空間の色であると考えれば、緑や青から弛緩反応が生じ、落ち着くと感じても不思議ではありません。人間の進化の過程で、生き残るために獲得してきた色への反応ではないかといわれています。

 

  日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より