視覚/アゲハチョウは紫外線が見える?

人間以外の生物に色覚はあるのでしょうか。一般に、夜行性で白色光の下で動かない動物は、色覚がない、あるいは多くの色に反応できないなどの特性が多く、昼行性の動物は色覚を持っていることが多いのです。例えば、チョウには色覚がありますが、夜行性のガは色覚を持たないものが多いといわれています。

人間が色を感知する能力「色覚」は、赤・緑・青の三原色ですが、アゲハチョウの色覚は、赤・緑・青・紫・紫外線領域の五原色であり、アゲハチョイウは人よりはるかにクリアな画像を見るといわれています。注目したいのは、アゲハチョイウは、紫外線が見えるということです。

実は、花びらには、人間が見えない紫外線の領域で模様がついているものが多くあります。これは、過密標識、または蜜標と呼ばれるもので、蜜のありかを虫に教える役割を持ちます。つまり、アゲハチョイウは五原色の色覚を活かし、花に描かれたサインを見て、蜜へまっしくがに飛んでいるのです。

 

 日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より