視覚/目に映っているものと違うものが見える

フレーザーの錯視
フレーザーの錯視

図は、らせん模様が描かれ、白黒の網のような線が、外側からぐるぐると回りながら中心に向かっているようにほとんどの人が感じると思います。しかし、ここに描かれているのは本当にらせん模様でしょうか。指先で線の一本をたどってみてください。らせんであるならば、線をたどるにつれて内側に向かい、最後には中心に到達するはずです。しかし、指先は同じ円周をぐるぐる回るばかりです。実は、ここに描かれているものは、中心を共有する十数個の円、すなわち同心円であり、私たちの網膜に映っているものはらせんではないのです。これをフレーザーの錯視といいます。

 

 日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より