味覚/さまざまな神経を経て伝わる味覚

味覚の伝わり方

食べ物を口の中へ入れて咀嚼すると、味物質が唾液中に溶け出します。そして、味蕾の表面側には味孔(みこう)と呼ばれる入り口があり、そこに味物質が入り込みます。その奥に位置しているのが味をとらえる味細胞です。味細胞の入り口先端にある微紱毛には、唾液中に溶け出した特定の味物質が結合する、さまざまな受容体があります。

基本味のうち「甘味」「苦味」「うま味」は、味細胞の表面にある「Gタンパク質共役型受容体で取られて、「塩味・酸味」は「イオンチャネル型受容体」で受け取られます。

「Gタンパク質共役型受容体」で受け取られるGタンパク質は、細胞内での重要な情報伝達物質で、Gタンパク質共役型受容体は特定の分子(甘味ならブドウ糖など)と結合すると、Gタンパク質が活性化し、最終的にその情報がそれぞれ専用の味神経に伝達されます。

塩味と酸味は「イオンチャネル型受容体」によって受け取られます。イオンチャネルとは、水素イオン(H⁺:酸味のもと)やナトリウムイオン(Na⁺:塩味のもと)といった、イオンが細胞を出入りする関所のような場所です。イオンチャネルからこれらのイオンが通過することで、最終的にその情報が味神経に伝達されます。

これらの受容体が味物質と結合を果たすと、味細胞が活性化して信号を出し、これが神経を伝わって脳に届いて味覚を生み出します。このとき、舌の前側3分の2の部分にある茸状乳頭の味細胞からの信号は「顔面神経」を、舌の後ろ側3分の1にある葉状乳頭と有郭乳頭の味細胞からの信号は「舌咽神経」を通って脳へと伝わります。

 

  日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より

 

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