味覚/味覚を感じる脳のしくみ

味を感知する脳の仕組み

口の中に取り込まれた食べ物が、味物質やイオンの形で味蕾内の味細胞にある受容体に結合すると、その情報が神経を介して脳に伝えられて、味の質や強さの分析が行われます。また、それに連動して「おいしい」や「まずい」などの感覚もこの時に判断されます。

このような味神経を介する情報が脳内の通過する経路を「味見伝導路」といいます。

 

<味蕾から脳への経路>

味細胞で味物質を感知すると、そこから得た情報は、味見神経である顔面神経、舌咽神経、迷走神経を通って伝達されます。その後、脳幹下部にある「延髄」の「孤束核(こそくかく)」という部位に伝わり、塩味や甘味などの味の情報が引き継がれます、その後、脳幹上部にある視床を経て、大脳皮質の一次味覚野に送られ、そこで味の強さや質が分析されます。さらに、大脳皮質の二次味覚野で、嗅覚や触覚からの風味や食感などの情報と組み合わされます。この情報伝達の流れにより、私たちが食べ物を食べた時に感じる食べ物のイメージが形成されます。

また、扁桃体、視床下部にも味覚の情報は送られます。扁桃体では、食べている物が好きか嫌いか、快・不快といった「情動」の情報が判断され、視床下部では、食欲を司るホルモンが分泌されるなどの現象が起こります。また、海馬では、味の記憶が形成されます。

大脳皮質まで情報伝達を行わずに、延髄の孤束核で「反射的な反応」が起こる場合もあります。例えば、酸っぱい物・苦い物を食べた時は、顔をしかめる顔面表情変化、唾液や消化液の分泌などの現象がこの段階で起きたりします。

つまり、味の基本的な選別と反射的な反応は、延髄を含む脳幹部分で生じるため、たとえ大脳に障害があったとしても起こるということが分かります。

 

  日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より

 

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