味覚/辛味

辛味は基本味とは異なり、三叉神経によって伝えられる感覚です。三叉神経は、痛覚や温覚を伝える神経です。この三叉神経に、トウガラシに含まれるカプサイシンなどの辛味物質の受容体があるといわれています。この受容体は、本来温度のセンサーとして働きますが、辛味物質とも結合します。そして、その情報が脳へ伝えられ、辛味として認識します。トウガラシの辛さは口に入れたから、一瞬の間を置いた後感じます。これは、カプサイシンが舌の表面から内部に浸透し、三叉神経に到達するまでに若干時間が掛かるためです。辛味を認識するころには、カプサイシンは舌の内部に浸透しているため、口をゆすいでも辛味が消えないのはこうした理由によるものです。

 

  日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より