味覚/温度と味覚の関係

溶けてしまったアイスは、凍っていたときより甘く感じたり、熱いスープが冷たいとき味が濃くなったように感じることがあります。

これは、味細胞内で味の情報を伝えるたんぱく質である酵素が、体温くらいの温度のときにもっともよく働くためです。味細胞が食べた物によって低温や高温の環境になると、酵素の働きが一時的に弱くなり、味を感知する働きが鈍くなります。高温の食べ物や、低温の食べ物は、この効果を踏まえて強めに味付けられています。そのため、時間がたって、これらの食べ物が常温になってしまうと、味細胞の酵素の働きが強まり、味が濃くなったように感じられます。

人間は一般に、体温±25~35℃の食べ物を好み、おいしいを感じやすいとされています。つまり、温かい物は60~70℃前後、冷たい物であれば0~10℃前後でよりおいしさを感じます。

また、温度の影響によって変化しやすい味、温度による影響を受けにくい味があります。変化しやすいのは甘味・旨味・苦味の3種類、変化しにくいのは塩味・酸味の2種類です。例えば、温かいみそ汁は、うま味が強く塩味もそこそこ感じられておいしく感じられますが、冷めるとうま味の強度は低下します。ところが塩味は温度に影響を受けず、ほとんど変化がないので塩味が際立ってしまいおいしさを感じにくくなります。

 

   日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より

 

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