満腹になるまで食事をして、もうこれ以上は食べられないと思った後でも、おいしそうなケーキやデザートが出てくると、不思議と食べることができてしまうことがあります。これはいわゆる「甘いものは別腹」といいます。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。その鍵を握るのは、脳内の視床下部で分泌されるオレキシンという摂食促進物質です。
実際に舌で甘さを感じなくても、今までの食経験と想像から「こういう味だろうな・おいしいだろうな」と想像することができます。これだけで、私たちの脳はオレキシンを分泌することができます。
オレキシンによって甘いものを食べたいという意欲が促進されます。オレキシンが分泌されると、消化器官の働きが活発になって、胃の十二指腸に近い部分が収縮し、胃の食道に近い部分が広がります。つまり、胃の中の食べ物を十二指腸へ送り出し、胃の入り口の筋肉をゆるませて、食べ物が入るスペースを作り出しています。これが、別腹の仕組みです。
日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より