嗅覚/においの正体は微量分子

鼻の構造(内部)
鼻の構造(内部)

においとは、物体や生物から周囲に発散され、嗅覚器を通じて知覚される微量分子による特別な刺激のことです。その中で、私たちに快い感覚を与える場合には香り、芳香、香気と呼び、不快感を与える場合には臭さ、臭気、悪臭などと呼んで区別します。

物体のにおいは、物体が表面から分子を揮発させることにより感じます。分子は小さいほど揮発しやすくなるため、大きすぎる分子はにおいを発していません。つまり、におい物質は分子量が小さく、揮発した気体である必要があります。そして、呼吸によって空気と一緒に小さな分子だけが鼻腔に入り、鼻粘膜を刺激します。

さらに、におい物質になるためには、鼻粘膜に達した後、鼻腔上部に位置する嗅上皮表面の粘膜に溶け込むために水溶性の性質であり、かつ嗅細胞の脂質でできた膜を通過するために、脂溶性の性質も備えている必要があります。

 

     日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より