嗅覚/腋臭(わきが)

●原因

人の汗腺にはエクリン線とアポクリン腺があり、エクリン線は全身にあって温熱刺激や神経的緊張によって発刊しています。一方、アポクリン腺は腋窩(えきか)、外陰部、外耳道に分泌していて、思春期になると性ホルモンの影響で分泌が多くなります。腋臭の臭いの原因は、アポクリン腺の汗の中の脂肪酸が細菌によってにおい物質に分解されることです。腋臭の人はアポクリン腺が大きくてその数も多く、分泌量が多い傾向があります。腋臭は優性遺伝し、親子ともに現れる場合が多いですが、欧米人が約80%なのに対して日本人などの黄色人種は約10%にすぎません。

●対策

汗をかいたらすぐに拭きとり、細菌の繁殖を防ぐことでにおいを抑えられます。乾いたタオルは汗だけを拭きとり、においが残ってしまいますので、濡れたタオルや汗拭きシートを使用するとにおいも取ることができます。

また腋毛の処理も有効です。毛抜きで抜いたり除毛剤などで肌を傷つけ刺激するより、電気シェーバーなどを使用すると肌への負担が少なくなります。

制汗剤の多くは、消臭・殺菌・制汗の効果があります。消臭方法としては、においの元を吸収するものや中和するもの、ほかのにおいを隠してしまうものがあります。そして、殺菌は菌の繁殖を抑えますのでにおいの予防にとっても役立ちます。また、制汗は汗自体を抑えることで、においの発生や脇汗のシミなど多汗の悩みにも効果的です。

 

    日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より