脳力/シナプスを介して情報伝達を行う

神経細胞間における情報伝達の仕組み

樹状突起と軸索のそれぞれの末端は、こぶ状に膨らんだ形をしており、「シナプス」と呼ばれています。シナプスの間には、1万分の1ミリ程のすき間が空いており、電気信号はこのわずかなすき間を超えることができないため、ほかの神経細胞に電気信号を伝えることができません。そこで、シナプスでは、電気信号の代わりに、軸索のシナプス先端に存在するシナプス小胞から「神経伝達物質」という化学物質を分泌し、化学信号として情報を伝えます。その神経伝達物資が、シナプスのすき間を飛び越えるのにかかる時間は、約1,000分の1秒です。その瞬間的な神経伝達物質の伝達によって、無事にほかの神経細胞に渡った化学信号は、再び電気信号へと戻ります。脳の中では、このように電気信号と化学信号が巧みに変換されながら、無数の情報が伝えられています。

 

  日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より