・ストレスを利用する
普段生活の中で、ノルアドレナリンの分泌を高めるには「ストレス」を上手く取り入れることがポイントです。仮に、あなたが90分の講義をするとします。しかし、聞いている側の集中力は90分持たず、眠りはじめる人がでてきたとします。このようなときに、いきなり誰かを指名し意見を求めたりすると「次は自分が指されるかもしれない」という緊張や不安からストレスがかかり、聞いている側の集中力は高まります。
また、自分1人の仕事の場合でも応用は可能です。こちらも同様、ストレスを上手く活用します。それは、締め切りを設定することです。子どものころ、夏休みの宿題をギリギリまでやらずに、最後の1日だけで全部終わらせた経験はありませんか、なぜ、ずっとできなかった宿題が、たった1日でできてしまうのでしょうか。理由は簡単です。「今日中に宿題を終わらせないと、明日先生に怒られる」というプレッシャーがかかるからです。こうした締め切りが迫った状態では、少なからずストレスがかかっている危機的状況ですから、緊迫感や恐怖感に支配されています。こうなると、必然的にノルアドレナリンが分泌され、その結果集中力が高まり、猛烈に勉強や仕事がはかどるのです。
このように、何かに取り組む際、漠然と取り組むのではなく期間や時間を限定することで集中力を高めることができます。ただし、ノルアドレナリンの活用は、短期限定です。長時間続けば、モチベーションが続かず疲れ果ててしまいます。長期で高いモチベーションを持続するためには楽しんで行うことがおすすめです。
・「フェニルアラニン」「チロシン」を補給する
ノルアドレナリンは、タンパク質(アミノ酸)の「フェニルアラニン」や、「チロシン」から合成されます。フェニルアラニンやチロシンを多く含む食品は、大豆製品や乳製品、肉、魚、ナッツ類などです。通常の食事をしていれば不足することはありませんので、バランスの良い食事を心掛けましょう。また、フェニルアラニンやチロシンからノルアドレナリンを合成するには、ビタミンB6やビタミンⅭも必要です。ビタミンB6を多く含むレバーや魚、ゴマ、ナッツ類、バナナ、ビタミンⅭを多く含む野菜や果物も合わせてとるようにしましょう。
日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より