●聴覚をつかさどる耳の構造
聴覚を理解するために、先ずは耳の構造から確認していきましょう。耳は外側から順に、「外耳(がいじ)」「中耳(ちゅうじ)」「内耳(ないじ)」分けられます。
![耳の構造](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sbe0d47d9d66849e9/image/i639afd9144b6bd20/version/1535323102/image.png)
外耳は、耳介(耳のつばや耳たぶ)と外耳道(耳の入り口から鼓膜までの部分)で構成されています。耳介(じかい)は音を外耳道(がいじどう)に導くために、衛星通信用のパラボラアンテナのような形をして音を集めて、小さい音を増幅する働きがあります。また、複雑な凹凸とした構造(耳のしわ)によって音が伝わりやすくなっています。
中耳は、鼓膜とその内側にある耳小骨(じしょうこつ)と耳管(じかん)で構成されています。耳小骨は鼓膜側からツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨という順に存在しています。また、耳管は喉の奥の上部とつながっていて、内耳の空気圧を調整したり、内耳の空気を入れ替える働きを担っています。
内耳は、聴覚を担当する蝸牛と平衡感覚をつかさどる前庭(ぜんてい)と三半規管(さんはんきかん)で構成され、どちらもリンパ液で満たされています。聴覚を担当する蝸牛は、前庭階(ぜんていかい)と鼓室階(こしつかい)、そしてそれらに挟まれるように位置している蝸牛管の底面にはコルチ器という装置があります
![内耳にある蝸牛の断面](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sbe0d47d9d66849e9/image/ic9190a5571fddee0/version/1535323167/image.png)
コルチ器には感覚毛が生えた有毛細胞が並んでいます。さらに、コルチ器の上には、ゼリー状の蓋膜(がいまく)というひさしのようなものがせり出していて、有毛細胞を覆っています。この有毛細胞がリンパ液の動きを受けることにより、電気信号を発生させています。
日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より
![コルチ器の蓋膜](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=442x10000:format=png/path/sbe0d47d9d66849e9/image/i3eba642b4675dc9a/version/1535323244/image.png)