聴覚/BGMによるマスキング効果とは?

ある音を別の音で隠してしまう働きを「マスキング」といいます。ある一定の同じ周波数で音を発生させることで、同じ周波数の音がかき消される現象が起こります。例えは、飲食店で流れているBGMを止めると、途端に周囲の声が気になったり、空気に違和感を覚えたりします。何も音楽が流れていない方が、逆に音を意識してしまうことになるのです。

マスキング効果を有効にするためには、施設内になるべく多くのスピーカーを設置することが大切です。そして、マスキング効果を得るために重要なことは、ある程度の音量です。スピーカーが1つしかない場合、音量を上げ過ぎてしまうことで、スピーカーの近くにいる人に不快感を与えてしまう恐れがあります。スピーカーの数が多ければ、一つ一つのスピーカーは小さめの音でもマスキング効果に十分な音量を確保することができます。

騒音を100%取り除くことは難しいのですが、マスキング効果を上手く利用することで、周りの話し声や機械音、キッチンの音や車の音など、騒音を軽減して、不快感やストレスを感じさせない、居心地のよい空間をつくることができます。

近年では、さまざまなシーンや場所で、BGMが流れています。マスキング効果を生むBGMは食事を美味しくしたり、買い物や遊びを楽しくしたり、作業を意欲的にさせたりするなど、私たちの生活にとって欠かせない存在となっているのです。

 

  日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より