触覚/皮膚感覚の刺激を伝えるしくみ

指先の皮膚の断面

一見、複雑に見えない皮膚の表面下には、前述したように皮膚感覚の刺激を受ける様々な受容器が潜んでいます。

ほかの感覚器官とは異なり、皮膚は全身に広がっているため、皮膚感覚は程度の差こそあれ、体のどこであっても検知されます。

では、受容器がどのように検知しているのか、指先の皮膚の断面を例にみていきましょう(図2)。指先には受容器が密集しています。そのため、非常に敏感で、幅1mmに満たない溝ですら感じることができるのです。圧力や振動に反応する自由神経終末により役割を分担し、形や質感を感じ取っています。受容器で受けられた刺激は、神経を介して脊髄や延髄などを経由して、脳へ運ばれます。そして、最終的に「体性感覚野」という領域で認識されます。

皮膚感覚の中枢

日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より