触覚/嘔吐も内臓感覚による反射

内臓感覚の反射には、脳に届いて意識できる感覚をもたらすものと、脳を介さずに脊髄や脳幹で臓器に戻る信号を発生させる(反射を起こす)ものがあります。

体に悪い食べ物を食べたときなど、強い吐き気が起きて食べ物を戻すことは反射による反応です。食べ物に含まれる有害な物質が胃の筋肉にある受容器を刺激し、発生した信号が脳の延髄にある嘔吐中枢に伝わるためです。嘔吐中枢からは胃の筋肉や横隔膜、腹部の筋肉を動かくす信号が出て、胃の内容物を食道に押し戻す動きが起きます。これは、体に備えられている緊急避難の方法の1つで、体内に有害物質が入ったときにできるだけ早く排出するために備わった機能です。

日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より