米国で行われた研究では、実験参加者を実験室に案内する途中で、案内係がメモを取る間、参加者に温かいコーヒー、あるいは冷たいコーヒーを持っていてもらいました。そして、実験室に到着後、参加者には「ある物事を書いた文章」を読んでもらい、その人の印象について評定してもらいました。すると、手に温かいコーヒーを持った人は、他社の性格を「親切」「寛容」だと判断する傾向がありました。さらに、実験のお礼として「友達へのギフト」と「自分用の品」のどちらかを選んでもらうと、手を温めた人は前者を選ぶことが多い結果となりました。
その後の実験では、皮膚を温めると、人との心理的距離が近くなることや、人を信頼しやすくなることも分かっています。実験では手の温度を操作しましたが、手でなくてはいけないだけでなく、どの身体部位であっても同じ結果になるといいます。つまりは、全身のどの部位でも皮膚を温めると心が温かくなり、人に優しくなるのです。
日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より