呼吸のしくみ

呼吸のしくみ
呼吸のしくみ

呼吸をするときには、脳の延髄にある呼吸中枢から「呼吸をせよ」という命令が出ていて、その結果、外肋間筋(がいろっかんきん)や横隔膜が働き、息を吸ったり吐いたりすることができます。

肺は、胸郭(きょうかく)という胸椎(きょうつい)、胸骨(きょうこつ)、肋骨(ろっこつ)からできたかご状の組織に囲まれています。そのカゴを下から横隔膜がふたをすることで、胸郭の内部には胸腔(きょうくう)と呼ばれる密封された空間ができます。胸郭にある外肋間筋と横隔膜の働きにより、胸腔の容積が変化することで、肺は受動的に収縮するしくみになっています。

では、肺へ空気が出入りする「換気」はどのようなしくみで行われているのでしょうか。換気によって体内に吸い込む空気を「吸気」、体外へ出す空気を「呼気」といいます。

まず、吸気についてです。息を吸うときは外肋間筋や横隔膜が収縮するため、肋骨が拳上しドーム状の横隔膜が下がることで胸腔が広がります。そうすると、肺を外側に広げようとする力が働き、その圧力で空気が中に入り込むしくみとなっています。これが吸気のしくみです。反対に、呼気では外肋間筋や横隔膜が緩むことで胸腔が狭くなり、胸腔内圧は上昇します。すると、内圧により肺は押しつぶされ、空気も押し出されます。これが呼気のしくみです。このように、胸腔内の圧力の変化によって肺での換気は行われているのです。

日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より