一般の人とマラソン選手の心機能の違い

●マラソンと心拍出量

心臓の拍動により1分間に送り出される血液量を「心拍出量」といいます。

一般の人の心拍出量は、安静時で5~6ℓ/分ですが、マラソンなどの運動をすると、運動強度に比例して増加し、最大で30ℓ/分以上もなります。このように、心拍出量の最大値はトレーニングによって増加させることができます。また、心拍出量は「1回排出量」と「心拍数」によって決まります。

1回拍出量とは、心臓の1回の拍動により送り出される血液の量をいいます。

心拍数とは、1分間に心臓が拍動する回数をいいます。

マラソンによる心拍出量の増加はこの2つが増加することによってもたらされます。

心拍出量=1回拍出量×心拍数

①マラソンと1回排出量

一般の人の安静時における1回排出量は、70~80㎖程度ですが、マラソンなどの持久系スポーツ選手では、1回排出量が増加し、運動中は最大で170~190㎖までに達するといわれています。

②マラソンと心拍数

心拍数は、自律神経(交感神経と副交感神経)により調節されています。

心臓の拍動は、刺激伝導系のしくみによって自動的に動くようになっていますが、自律神経による支配を受けているため、状況によっては心拍数に変化が起こります。心臓には、交感神経も副交感神経も広く分布していますが、特に洞房結節の周りには多くの神経末端があるため、運動したり緊張しているときには、交感神経が優位になることで心拍の頻度を増やし、逆にリラックスしていたり眠っていたりするときには、興奮が収まり、副交感神経が優位になって、ゆっくりとしたペースになります。

一般の心拍数は、安静時で60~80回/分程度ですが、マラソン選手のような持久系アスリートは、1回拍出量が多いため安静時の心拍数は、一般の人の半分の30~40回/分ほどしか脈を打ちません。

ただし、1回拍出量は最大値に達してからは、運動強度を増加してもその値に変化がみられなくなるため、マラソンなどの強度の強い運動での心拍出量の増加は、心拍数の増加によって補われることで大きく変化をするといえます。

 

※ランニング、ジョギングを含め「走ること」を総称して「マラソン」という表現を使っています。

日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より

 

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