ピラティスによる正しい姿勢

ピラティスでは、歪みのない「正しい姿勢」を身に付けることを重要視します。私たちの体は普通の生活や癖によって、左右対称ではなく、肩の高さが違っていたり、筋肉量が左右で差があったり、本来真っすぐのはずの背骨が真ん中からずれていたりなど、歪みが生じています。例えは、右利きの人の右腕の筋肉が発達するのは当然であり、多少の左右差があることは自然なことなのですが、許容範囲を超えた左右差は、体の障害や痛みを起こす可能性があります。

体の中心にある体幹やコアの力が弱くなると、脊柱や骨盤が歪みやすく、首や肩、腰に負担がかかり、痛みだけではなく、体全体の不調や老化につながっていきます。

悪い姿勢が原因で起こる代表的な不調
悪い姿勢が原因で起こる代表的な不調

正しい姿勢とは、正面から見た場合、脊柱を中心に左右対称になっている状態です。そして、横から見た場合、背骨が生理的湾曲と呼ばれるように。ゆったりとしたS字カーブを維持する状態です。具体的には、耳、肩、膝、くるぶしが、地面から垂直に、一直線に真っすぐ伸びた状態が理想的とされています。

正しい姿勢
正しい姿勢

真っすぐに立っているつもりでも、肩が傾いたり、背中が丸くなっていることは多いものです。立ち姿を鏡でチェックして、正しい姿勢を体で覚えましょう。身体を左右対称に近づけることで歪みを治すことができ、体が本来持っている機能を発揮できるようになります。

 

<体を正しい位置にする>

骨盤、背骨、肩甲骨、首、肋骨が正しい位置にある状態を「ニュートラル・ポジション」と呼んでいます。ピラティスでは、骨盤だけを動かす、首だけを動かす、といった動きの変化をゆっくりと加えていくことにより、それぞれの動きに対して「筋肉をどのくらい使えば、関節が動くのか」といった感覚を覚えています。

人間は常に、筋肉の緊張を高めたり、ゆるめたりしながら体を支えています。

無意識に行ったいることですが、日常生活のすべてが筋肉運動だといえるのです。ピラティスを深めていくと、普段の何気ない動作でも、筋肉や関節の動き、姿勢の維持が意識できるようになります。そして、日常生活においても正しく筋肉を使うことができるようになり、立ち振る舞いが美しくなっていきます。姿勢に大きくかかわる背骨や骨盤は、特に正しい位置を意識していく必要があります。

 

●背骨

背骨は、直立二足歩行である人間の体を支える「柱」のような存在です。その構造は小さな骨(椎骨)の連なりで、骨と骨の間を広げたり狭めたりしながら、前後・左右に曲げる、反らす、ねじるなどの動きを可能にしています。背骨を動かしているのは、多裂筋などの背骨周囲の筋肉です。この筋肉の動きが低下したり、硬くなって縮こまっていたりすると、背骨は正しい位置を保てなくなり、姿勢の崩れにつながってしまいます。中でも、多裂筋は、内臓や精神面の不調からも硬く緊張しやすい傾向にあり、姿勢の取り方によっては重力が大きな負担となって、無駄にエネルギーを消耗したり疲労を蓄積したりします。

これらを防ぐためにも、多裂筋に意識を向け、「背骨の伸張(エロンゲーション)」を行いながら、背骨一つ一つの「椎骨」を動かしていくことが必要です。

「背骨の伸張」とは、椎骨の間を広げ背骨自体を伸ばしていくことで、ピラティスは、常にこの動作を行います。体の軸である背骨は、首、胴体、骨盤などの動きと関連があるため、可動域を広げ、柔軟に動くようにすることが、姿勢や全身の動きをよくすることにつがります。

背骨の伸張(エロンゲーション)おイメージ
背骨の伸張(エロンゲーション)おイメージ
エロンゲーションを行うポイント
エロンゲーションを行うポイント

●骨盤

骨盤は前後左右に動き、斜めに傾けることもできます。ピラティスでは背骨を柔らかく動かすにあたり、骨盤が連動して動きます。骨盤が前傾すると背骨の反りが大きくなり、骨盤が後傾すると背骨が丸くなります。

骨盤の正しい位置(ニュートラル・ポジション)とは、骨盤の前側の出っ張った骨である「腰骨(こしぼね)」と下腹部の一番下にある「恥骨結合(ちこつけつごう)(左右の恥骨の中央部分)」が、立っているときや座っているときは床に対して垂直状態で、仰向けのときは床に対して平行な状態のことをいいます。背骨の自然なカーブを保つには「骨盤のニュートラル・ポジション」を取ることが重要です。

腰骨が恥骨結合より前に出ていたら骨盤の前傾、恥骨結合の方が前に出ていたら骨盤は後傾しています。

骨盤のニュートラル・ポジション
骨盤のニュートラル・ポジション

日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より

 

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