🟢 トヨタ自動車 会長・モリゾウさんの言葉に動かされて
レースの現場で語られた「チームづくり」の思想に感動しました。
私は一人の靴職人ですが、ふと思いました。
お客様と向き合う時間は、まるでドライバーとチームを組んで
人生というサーキットを走るようなものだと。
走る人がいて、支える人がいる。
その信頼関係こそが、人生のレースを完走へと導く力になる。
そんな想いから、この物語を書かせていただきました。
🏎️ ピットレーンの靴職人
サーキットの喧騒の中。
ピットレーンに静かに戻ってくる一台のマシン。
ハンドルを握るのは、70歳代の女性ドライバー。
長年の走行で靴が消耗してきて、
足(=エンジン)にも痛みが出はじめていました。
外反母趾、そしてリウマチ。
それでも「まだ走りたい」という気持ちは衰えていません。
ピットに入ると、チーフエンジニア(私)が駆け寄ります。
それが──立川靴工房の靴職人です。
🔧 整備という名の、対話

ピットクルーにとって整備とは、“対話”です。
足型を取り、歩行を測り、身体の重心を読み取る。
そこに見えるのは単なるデータではなく、
「どんな人生を歩んできたか」という走行履歴。
私はそれを読み取りながら、靴のフレームを組み直し、
**サスペンションを調整し、**走る力をもう一度取り戻していきます。
「この靴なら、また歩けそう。」
その一言を聞く瞬間が、私たちチームにとってのチェッカーフラッグです。
🏁 再スタートの合図
整備を終えた車(靴)は、再びコースへ。
ドライバーは穏やかな笑顔でピットを離れます。
その背中を見送りながら、私は思います。
「今日もチームの一員として、無事に送り出せた」と。
立川靴工房は、靴をつくる場所ではありません。
人生というレースを、最後まで走り抜くためのピットチームです。
💬 人生の伴走者として
「あなたの足を、もう一度スタートラインへ。」
─ 立川靴工房 ピットクルーより
